卒業式式辞

平成29年度 卒業式での校長式辞

 正門前の桜も花咲く時を持つかのようにそのつぼみに力をみなぎらせている今日の佳き日、東京都議会議員 滝田やすひこ 様、本校学校運営連絡協議会協議委員 上田幸夫 様、前校長 押尾勲 様、同窓会あかね会会長 小林幹彦 様、本校PTA会長 日笠美香 様、PTAOB会会長 柿沼健一 様を始めとする御来賓の方々、また東京都教育委員会から出張吉訓 教育監の御臨席を賜り、東京都立南多摩中等教育学校 第3回 卒業式を執り行うことができますことは、私ども教職員にとりまして、大きな喜びであります。

 

 152名の皆さん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様、お子様の御卒業、心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。

 

 さて、グローバル化の進展や人工知能等の飛躍的な進化など、加速度的に変化する社会にあって、学校教育においては、言語能力を駆使し、習得した知識・技能を活用して、新たな価値を生み出す創造的・論理的思考力、物事の真理や意味等を追究する探究力を育成することが求められています。

 卒業生の皆さんは、1年生で地域調査、2年生でモノを探究のテーマとして行う「モノ語り」の作成、3年生で知床への研修旅行や大学の研究室訪問、仮説を立てて、実験・調査を行う科学的検証活動を行いました。さらに4年生及び5年生での自分の未来につながる課題を見付けてテーマを設定し、4000字の論文を仕上げるライフワークプロジェクトを通して、論理的で創造的な思考ができるよう学習を重ねてきました。まさに本校の教育活動の柱であるフィールドワークを通して、今、求められている探究力を培ってきたのです。

 また、東京都教育委員会から指定を受けた理数イノベーション校及び英語教育推進校の取組を通して、磯の観察、入笠山への天体観測、京都大学の総合博物館の見学や研究室訪問の機会を得て、理数の分野における興味を深め、大学で学ぶ楽しさを体感し受験勉強への意欲を向上させることができました。更に英語学習については、授業でのレシテーションコンテスト、スピーチコンテスト、ディベートに加え、オーストラリアへの海外研修旅行、TOEIC 4技能試験の受験、放課後のリーディング アンド ディスカッション講座の参加になど多岐にわたる経験をすることもできました。これらの取組を通して、豊かな国際感覚を身に付け、外国の方々とも、相手の意図・考え方を的確に理解した上で、論理的に説明したり、反論したりできる能力の基盤も身に付けることができました。卒業生の皆さんは、これらの力を携えて、競争や変化が激しいグローバル社会において、たくましく生き抜いていけるものと確信しております。皆さんが20年後、30年後に世界の様々な分野で「心・知・体の調和から生まれる人間力」をさらに磨き、活躍することを大いに期待しております。

 

 しかし、様々な道においてその頂点を極めることは容易ではありません。これからの人生、思うようにならないことは数多くあると思います。

 そこで、私は卒業生の皆さんへの餞にAbraham Lincolnの言葉を送ります。

  Always bear in mind that your own resolution to succeed is more important than any one thing.

 「いつも肝に銘じておきなさい。成功への決意が何よりも大切だということを。」

 先月、極寒の平昌で17日間にわたった熱闘を繰り広げた冬季オリンピックで、日本は冬季五輪最多の13個のメダルを獲得し、2020夏の東京オリンピック・パラリンピックに弾みを付けました。スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒 選手、フィギュアスケート男子で66年ぶりの2連覇を果たした羽生結弦 選手等、悔しさや怪我を乗り越え勝ち得た勝者の言動に感動を覚えたことと思います。メダリストの皆さんも成功への決意を抱き、絶えまぬ努力を重ねてきたからこそ勝負に勝つことができきたのです。スポーツだけでなくあらゆる分野において、精進する過程においては、挫折を味あうことがあります。挫折からどのように立ち上がるか、挫折や失敗から何を学ぶかが問われます。私は、折に触れて皆さんに「才能とは、生まれつきの頭の良さではなく、目の前の課題に対して、先送りにせず、今できることを果敢に挑戦する能力、こつこつ努力を重ね、結果がでるまでやり抜く能力である。」と伝えてきました。卒業生の皆さん、夢をあきらめず、志したことは最後までやり抜いてください。世界の様々な分野においてそれぞれの頂点を目指して邁進してください。

 

 さて、皆さんは6年間という多感な時間を本校で過ごしました。152名が一同に会するのはこれが最後になります。異年齢集団の交流を通して作り上げた本校の三大行事である南魂祭は忘れられない思い出になると思います。応援団長の元気の良い宣誓で始まった5月の体育祭、オリンパスホールでの観客の心を魅了した6月の合唱祭。9月の文化祭では、6年生の演劇・ミュージカルにおいては、どのクラスも毎回観客席が感動に満ち溢れた来校者で満席でした。1年生から6年生まで発達段階の異なる生徒同士が力を合わせて成功に導いた行事の中で思いやりの心、克己心、人間関係調整力を身に付けたことと思います。入学したての1年生にとって、皆さんの背中はさぞかし大きく見え、憧れや目指す生徒像になったことと思います。私は特に6年生有志と文化祭におけるオープニングで一緒に歌ったラップが印象深く残っています。練習の過程で、「南多摩に入学してどうだった」と尋ねたら「6年間で身長が30センチ以上伸びた。」・「180度考え方が変わりずいぶん成長できたと思う。本校で生活できてよかった」等の回答がありました。校長として6年間の教育に携われる喜びと醍醐味を感じた瞬間でした。行事のたびごとに皆さんのキラキラした眼差しや取組への真摯な姿勢を目の当たりにして涙腺が緩んだのは私だけではなかったと思います。

 

 結びに、本校の教育方針に理解を示し、素晴らしい才能にあふれたお子様たちの6年間という貴重な時間を私共に託してくださった保護者の皆様に心から感謝いたします。そして、卒業生を有形・無形に御支援いただいた地域の方々、PTA・PTAOB会、同窓会あかね会の方々、関係機関の方々に心から御礼申し上げます。これからも後に続く在校生や教職員とともに「南多摩中等ここにあり」と言える教育活動を展開してまいります。卒業生の皆さんに幸多かれと、エールを送り式辞といたします。

 

平成30年3月14日                   
東京都立南多摩中等教育学校
校長 永森 比人美

〒192-8562 東京都八王子市明神町4-20-1
電話 : 042-656-7030 ファクシミリ : 042-656-7031
E-mail : S8000803@section.metro.tokyo.jp